自分らしい生き方をみつけるクライシスの最終工程
天王星は、変革の星です。既成概念や既存の枠組み、古い体制を壊して新しい可能性を創り出していく革新的な天体です。そして、個性化の星でもあります。自分の殻を破り、自分らしさをみつける、真の自分が覚醒する。そんなイメージもあります。
そんな天王星の公転周期は84年。人生100年時代となり、同じ位置に回帰する方も多くなりましたが、そのまえにちょうど半分、出生時の天王星の位置の対角にくる、42歳前後は人生において重要な節目となる時期です。
40歳前後までに冥王星で大きな気づきや内面的な変化を経験し、海王星で迷いそして夢をみる。海王星の見せる夢や理想、ふわふわぼんやりしていた視界がぱぁっと晴れて前に進みたくなる。何かを変えたくなる。新しく始めたくなる。そんな時期です。
こう書くと、危機というよりポジティブな再スタートという感じですね。そうです、変わることを恐れなければ、それはとても前向きな人生の次のステージのスタートになるわけです。
天王星の危機におこりやすいこと
天王星のもたらす変化は、まさに革命。古いものを刷新して体制を変革する。その変化には突発性や瞬発力があります。個性化の星でもありますので、個人であるために独立や自立を促します。それが人によっては、別離や離婚、独立起業、転職といった大きな環境や心境の変化を生むことになるため、葛藤や不安、そして孤独などを感じることもあり、やはりこれもミッドライフ・クライシスと考えられているわけですね。
ファーストクライシス、冥王星の厳しさに比べ、仮に不安や葛藤、孤独があったとしても、そこには変革したい、独立したい、心機一転して前に進みたいという、自分らしさへの追求や目覚めが根底にあるので、やはり私はポジティブな印象があります。
今年天王星の影響を強く受ける年代
来年以降天王星の影響を強く受ける年代

これもジャストヒットして一番強い影響が出そうな時期ということですので、その前後の生まれの方も十分影響がある可能性はあります。
土星のもたらす現実化への問いかけ
さて、今回は天王星のお話ですが、時を同じくして、約129年に一度生まれた時の位置に回帰する土星の半回帰、ハーフ・リターンが重なる人も多いです。29×1.5で43~44歳の時期ですね。ちょうど今年天王星の影響を強く受けている1978~1979年生まれの方がおおむね重なっています。
土星回帰、すなわちサターン・リターンのお話は、詳しくはまた別の機会にさせていただきたいと思いますが、土星は責任と現実化の星です。最初の土星回帰の際には、29歳から30歳になるころ社会における責任や立ち位置を問いかけられる重要な転機で、このころ結婚や出産、重要な転職などされる方も多いのですが、これがもう半周して、出生時の対向にくるのが、ハーフ・リターンです。
天王星が個性化、革新の星だといいましたが、土星はその天王星とは対照的な責任や構造化を示す星です。この2つの天体の組み合わせは、重なると新旧の葛藤を生みます。突発的な勢いのある変化を促す天王星に対し、土星が責任を問いかけるので葛藤するのですね。
しかし、天王星が新しくスタートした自分らしい生き方を、土星が地固めをして再構築していくと考えたらどうでしょう。すべてを捨てて新しい自分を模索しにいける年代ではないからこそ、この土星の再構造化は葛藤を生みますが、それにより出した結論は勢いだけではない確かさも与えてくれるはずです。必要な通り道であるといえるでしょう。
変化と成長を楽しもう
前回の記事で、私は海王星の危機と天王星の危機が重なり、40歳すぎたシングルマザーの身でありながら35年ローンを組んで一戸建てを購入したと書きましたが、実はこのとき土星のハーフ・リターンも重なっていました。一戸建てドリームに浮かれたのも海王星っぽいですし、勢いで衝動買いのように一気に購入し引っ越しを決めたのは天王星っぽいですし、そして不動産を購入し地に足をつける、という結びもまた、土星っぽいなぁと思ったりします。
結果として、私にとってこの住宅購入はひとつの節目になりましたし、それによりいろいろ大変ではありますが、地に足がつき、現在の自分につながっていると思えます。
ミッドライフ・クライシスシリーズ、冥王星、海王星、天王星、そして土星と連載でお話しましたが、いかがでしたでしょうか。人生の重要な節目のときでしんどいこともありますが、過ぎてみるとこのときの葛藤を乗り越えた決断や前進があったからこそ、得られるものも大きかったことがわかると思います。
40代半ば以降も考え方や人生のテーマなど変化のタイミングもあり、50代以降の追い風のときにむけた必要なプロセスとなるものです。
変化を楽しむ。成長を楽しむ。
それが大切ですね。
知宙