こんにちは。知宙です。
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今回は、HSPとモラハラの関係を考えてみました。
モラハラ被害とHSP
HSP(Highly Sensitive Person)のことを調べていると、私自身のさまざまな経験が呼び起され、その特徴とリンクするのを感じるのですが、私自身じつはモラハラ夫との離婚経験があり、そのときのことが数多く思い出されます。
モラルハラスメントとは(以下モラハラ)とは、言葉や態度などによって人格や尊厳を傷つけ、継続的に苦痛や恐怖を与えることにより、相手を支配することです。
モラハラという言葉が広く浸透するようになりましたが、言葉そのものの意味から、”精神的嫌がらせ”という行為そのものをイメージしがちですが、私はその本質は、「継続的な苦痛や恐怖を与えることによる支配」だと思います。
「誰の稼ぎで食べていると思うんだ」という、夫のモラハラ発言の定型文のような言葉も、例えば夫婦喧嘩などでの1回限りの失言で、それを受けた妻が、”稼ぎに行けるのは誰のおかげだ”とでも言い返して笑い飛ばせるくらいの気質であれば、モラハラは成立しないかもしれません。しかし、それを毎日毎日さまざまな言葉や態度で妻の自尊心をそぎ落として精神的に支配していくと、まごうことなくモラハラになると思います。
セクハラやパワハラの線引きに「相手が不快に思えばハラスメント」といわれますが、モラハラも受け止める側の気質や状態により、その度合いは異なってくると思います。
もちろん、強ければモラハラを受けないということでもありません。ただ、もともとモラハラを受けやすい気質というのはあり、またモラハラ加害側も、そうした気質の人をうまく見つけて引き寄せるのもまたあると思います。
モラハラのターゲットになりやすい?
モラハラをうけやすいとされる人には、下記のような特徴があるといわれます。
・共感性が高く、場の空気を読む
・人のために自分を犠牲にしがち
・自己肯定感が低い
・真面目で謙虚
そう、敏感に人の感情を察し、場の空気を読み、深く考え、自責感の強いHSPの気質は、モラハラを受けやすい人の特徴に一致するものが多いです。
一方で、モラハラしやすい人は
・共感できず自己中心的。相手の気持ちを考えず否定的
・自分が正しいので相手が自分に従うべきだと考える
・外面は良く、自分が大好き
・よくないことはすべて自分ではなく誰かの責任だと考える。
HSPの真逆ですね。モラハラ加害をする人には、HSPの人はかっこうの相手といえます。
たとえば、自分に思い当たる非がないにもかかわらず、夫が不機嫌なオーラをだしてあなたを無視したとします。
あなたならどう感じ、どう対応しますか?
「急に無視なんかして大人げない!」と怒りを覚えますか?
それとも、
「私何か悪いことをしたかしら?どうしたら機嫌を直してもらえるだろう…」と自分に原因をもとめて、何とかしなければと考えますか?
HSPの人の多くは、共感的で敏感に感情や空気を感じ取り、細やかに配慮することができます。そのため、不機嫌を向けられると、それをいち早く察して配慮した行動をったり、またその不機嫌の原因が自分にあるように感じ必死になんとかしようとするかもしれません。
罪悪感をうえつけ、精神的な支配をしていくモラハラ加害をするひとにとっては、そうした気質を持つ人は、とても支配しやすい相手といえるでしょう。
一方で、刺激に敏感で繊細なHSPの人にとっては、そのストレスやプレッシャーという多大な刺激は、大きな負担になります。耐えがたいことです。
モラハラ加害者の他責感とHSPの自責感
モラハラ加害をする人には、被害者面をする人も多いです。
客観的にみると、暴言を吐き、時には無視をしたりして、相手を追いつめ支配する、まさしく加害者のように見えますが、やっている本人は、加害している自覚がなく(なのであえて私は加害者と表現します)、むしろ被害者であるというような態度をとります。
「子供ばかりで俺は蔑ろにされている」
「お前が気が回らないからこんなにも自分は苦労している」
「自分ばかり働かされる」
特に、自分に非がありそうなとき、自己防衛、自己正当化のために相手に責任を負わせようとすることがあります。
かつて、元夫の目の前で子供がけがをしたとき、遠くにいる私に「お前があげたキャンディに気をとられたせいで子供がころんだ」と罵倒されたことがあります。
まさしくこれは、自己正当化のための責任転嫁ですね。
ここで、その責任を引き取ってしまったり、またもしかすると、その感情と言葉の裏を熟慮できるHSPの人なら、それが無茶な自己正当化の言葉だったと察していても、その背後にある夫の心情をくみ取り、同情して彼の意図をくみ、やはり責任を引き取ってしまうかもしれません。
私はこのとき、元夫が無茶なこじつけで正当化していることもわかってはいたのですが、そうして人を攻撃することでしか自分の心を守れない元夫に同情する気持ちが勝ってしまい、私にも悪いところはあるのだからとあえてその罵倒を受け止めていました。
ある意味、モラハラ加害をする人は自己防衛のために人を攻撃するしかなく、そしてその攻撃の言い訳をするように被害者面をするのかもしれません。
あなたが罪悪感を引き受けることはない
でも、あなたがそこに同情し、その責任や罪悪感を代わりに引き受ける必要はないのです。
HSPのひとは、強い怒りやいら立ちをぶつけられると、何とかしようと必死になってしまいます。自分い悪いところがなかったか自分の非を探し、自分のせいでなくても自分のことのように受けとめてしまいます。
ただでさえ感じやすく、自責感の強いHSPのひとが、故意にこちらの罪悪感をあおるような態度や直接的な悪意を示されたら、その動揺や心痛は計り知れません。それを感じるなというのも難しいでしょう。
一番早いのは、あなたを傷つけるひとから直接的な距離を置くことですが、それが今すぐできない場合もあると思います。そんな場合でも、少しだけでも1人になる時間をとってみましょう。一人になって落ち着いて状況を振り返ってみると、多くはその怒りを持ったひと自身やあなた以外のことにもその要因があるはずです。
その人の怒りやいらだち、その苦しさも、あなたのものではありません。あなたが代わりに受けるものでも当然ありません。
そして、それを受け止めてしまったあなたが必死になってなんとかしようとしても、できるものではないです。だって原因はあなたではないのですから。
優しすぎる人へ。
その怒りは、あなたがが受けとめなくても、大丈夫です。
その罪悪感は、あなたが引き受けなくてよいものです。
どうか、自分を責めないで、
胸を痛めてしまう優しい自分をいつくしんでください。
知宙
モラハラ夫との結婚から離婚までを電子書籍化しました
これはモラルハラスメントだったのか?
モラハラ傾向のある夫とそれを生みだした姑との同居生活のなかで求められたのは、なんでもできる強いオニ嫁。夫も姑も“被庇護者であり被害者”になりたがった。でも、そうなるためには“だれか”が庇護し、なおかつ加害者にならなければならなかった。だからこそ、強いオニ嫁が必要とされていた…。典型的なモラルハラスメントほど極端ではなく、典型的な嫁いびりがあったわけでもなく、毒親とは言い切れない程度の微毒な実親に囲まれ、孤立感を深め少しずつ自分を見失い壊れていく。
5年にわたる結婚生活のなかで、オニ嫁を求められオニ嫁になりきれず、自分を見失っていった著者が、葛藤し迷走しつつも自分を取り戻していくまでのリアルな記録。
